民間企業から公務員試験を受ける人は、どんな職種でも必ず一定数以上はいるものです。民間での志も虚しく破れたのか、もう一度公務員への夢にチャレンジしたいのか、理由はいろいろあるでしょう。
狭い人間関係に疲れ果てて将来を悲観してしまった人さえ、たくさんいるものです。それはそれで問題ありません。
公務員採用試験は、一部の人を除けば全ての人に平等にチャンスを与えています。学歴とか職歴とか、どんなに優れていても何の意味もありません。
むしろ立派な人の方が、無駄で情けなくなるくらいです。何も無くても十分なのです。必要なのは、試験に通るか否かでしかないのです。その試験にあるほぼ一つの制限が、年齢制限です。
「田舎の自治体だといまだにコネがあるのでは?」
「ずっと臨時職員でお世話になっているからいけるかも?」
「いくら年齢制限以内だからと言っても、やっぱり手心が入れられるのでは?」
「県外の住民だから扱いは厳しいのでは?」
このような心配はしても意味がありません。上級試験でも、高卒の人が合格して採用されているケースもあります。
問題になる受験制限は、次のような一部の人に限られています。
・判断能力が万全ではなく成年後見人などが求められるような人。
・執行猶予中や禁固刑以上の刑に課せられている人。
・以前。同じ自治体に勤務していて、直近2年間以内に懲戒免職された人。
・破壊活動が目的の政治団体などで活動している人。
いずれも特殊な人しかいないでしょう。
公務員試験の年齢制限
公務員への門は広く開けられていると言えます。公務員試験を受験出来る条件は、年齢制限くらいなものだからです。最近の年齢制限の状況を試験毎に参考までにまとめてみました。
職種によっては、他に学歴制限などもあるかもしれません。またこれ以外に大卒見込や大卒資格者などの特定の条件を満たしている場合には、年齢制限は別途設けられていることもあります。
・国家公務員(総合職)
院卒程度:~29歳
大卒程度:21~29歳
・国家公務員(一般職)
大卒程度:21~29歳
高卒程度:高校卒業見込み及び卒業後2年以内(中学卒業後2年以上5年未満も可)
社会人:~39歳
・皇宮護衛官、法務省専門職員(人間科学)、外務省専門職員、財務専門官、国税専門官、食品衛生監視員、労働基準監督官、航空管制官
大卒程度社会人
法務教官:~39歳
上記以外:21~29歳
・皇宮護衛官、刑務官、入国警備官、税務職員、航空保安大学校学生、海上保安大学校学生、海上保安学校学生、気象大学校学生
高卒程度社会人
皇宮護衛官/刑務官/入国警備官:~39歳
刑務官:17~28歳
海上保安大学校・気象大学校:高校卒業見込み及び卒業後2年以内
税務職員・航空保安大学校:高校卒業見込み及び卒業後3年以内
上記以外:高校卒業見込み及び卒業後5年以内
・国家公務員経験者採用試験:大学卒業後5年以上又は高校卒業後9年以上
・裁判所職員(総合職)
院卒者:~29歳
大卒程度:21~29歳
・裁判所職員(一般職)
大卒程度:21~29歳
高卒程度:高校卒業見込み及び卒業後2年以内
社会人:20~39歳
・地方公務員事務系
上級:21~29歳程度
初級:17~20歳程度
・地方公務員技術系
上級:21~29歳程度
初級:17~20歳程度
・警察官
大卒程度:21~29歳程度
高卒程度:17~29歳程度
・消防官
大卒程度:21~20代後半(自治体によってばらつきがあります)
高卒程度:17~20代半ば(自治体によってばらつきがあります)
緩和されている公務員の年齢制限
公務員になるのには、学歴は関係ありません。禁治産者などの特殊な条件に該当さえしていなければ、問題は年齢だけです。年齢制限だけをクリアしていれば、受験できるものとされているのです。
この年齢制限も昨今の傾向としては、緩和されつつあります。今の公務員の年齢制限の上限は、いろいろな職種の平均で概ね36歳くらいと言われてます。
これでも結構高いのですが、この上限をさらに上げようとしているのです。それは、雇用環境の停滞によるものとされています。中高年の雇用の受け皿として求められているのでが現状のようです。
当然ながら公務員は中高年には、人気を得るようになりました。今では、40歳から50歳の新人職員も誕生している例が各地にあります。
一部の自治体では、年齢制限を撤廃しているようです。年齢制限なしと言うのですから、退職前の年齢でも新採用職員になれる可能性があるのです。
しかし、実際にそのような場合には、無駄が大きくなります。新人研修などを終えてやっと基本を習得しただけで、翌年には退職されてしまっても税金の無駄遣いと批判もされそうです。
民間企業では有り得ない採用としか思えません。年配の新人から自治体内部に新しい刺激を与えると言う意味では、有効な流れではあります。
おそらく採用する自治体も、単純に年齢制限を撤廃していこうとは考えてないでしょう。年齢制限の緩和はどこまで広がって行くのか注視する必要もありますが、流れ的にはこのようなものです。
公務員試験の年齢制限の緩和(教員の場合)
教員になりたかったけどなれなかったとか、今頃教員になりたくなったとか、いろんな人がいるものです。それも今では年も年、あきらめるしかありません。以上は、過去の話になりつつあります。
公務員試験の傾向でもありますが、この頃の教員試験には年齢制限が大幅に緩和されてきているのです。
30代と言わず、40代からなんと50代にまでも門戸が開かれてきています。具体的に何歳までになっているかは、各都道府県の裁量で定められています。
45歳未満ですとか50歳までとかもあれば、年齢制限無しになっている自治体さえあるようです。教員以外での社会人経験を活かせることに、期待をされての年齢制限の緩和なのでしょう。
ただし、年齢制限が高い自治体の試験は当然ながら試験倍率も高く難易度は高いと言えます。
それに合格するための知識も能力も衰えてきますので、不利な状況にあるのは間違いありません。受験するなら若いうちに頑張った方が得策でしょう。
それにせっかく合格しても、勤務年数は短いものになりますので中途半端に終えるかもしれません。
教員になるには、一般には教員免許が求められます。大学や高等専門学校などの教員でしたら、教員免許は無くても修士号や博士号を取得していることが必要になるようです。
公募やコネクションでなれるケースもあるようですが、それはそれで難しいものです。
教員免許を既に持っている人は必要ありませんが、そうでなければ免許取得から始めなければいけません。学校と科目によって分けられていますので、それぞれに応じた教員養成課程を受けて単位を取ることになります。
もしくは、教員資格認定試験を受けて合格する方法もあります。
この試験は、社会人向けに設定された試験で、幅広い人材を求めた結果生まれた制度です。受験資格も特にないので、独学で対応したければお勧めの方法です。
しかし、一定の難しさがあるようです。このように社会人から教員になれるようにはなってきていますが、そのハードルは、高いものがあります。
高卒で公務員になりたい人が知るべき年齢制限
基本的に地方公務員の年齢制限は自治体によって違います。平均的な基準を参考にして勝手に思い込んで、受験チャンスを逃すことのないようにしましょう。
自治体ごとに確認をする必要があります。さらに同じ自治体でも職種によって違います。
高卒で地方公務員になりたい人の一般的な年齢制限についてです。地方初級試験を受験するには、概ね22歳までが年齢上限です。
ただし、4年生大学を卒業した者、卒業見込みの者は受験できません。これは以前、大卒から初級試験を受ける人が増えたために設けられた規制です。
高卒では、まず初級試験と言う事にはなりますが、初級試験と決めつける必要もありません。
中級試験あるいは上級試験でも受験資格をクリアすれば、大学を卒業しなくても受験は可能なのです。もしも、能力的に自信があれば受験するべきでしょう。
地方中級試験を受験するには、概ね27才までが年齢上限です。短大卒業程度の試験になっています。
地方上級試験を受験するには、概ね29才までが年齢上限です。大学卒業程度の試験になっています。さらにこれも年々緩やかになっています。
年齢制限は撤廃される傾向にありますので、現在では30歳を超えているところもあります。また、社会人枠と言うのも各地で採用されるようになりました。
一定の社会人経験があれば、40歳を超えてもまだまだ受験可能になっているのです。ただし、年を取ればとるほど競争倍率も高くなっています。受験者の質も高くなりますので、相応の学力が求められるようです。
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