なりやすい公務員となりにくい公務員

公務員の種類は多いので、大まかな難易度から分類してみます。

非常に難しい
一般人には手の届かないレベルにあります。一部の人を除いて実力に運が伴わないと合格は難しいです。
国家公務員試験(総合職)
外務公務員
裁判所事務官(総合職)
国会図書館職員
家庭裁判所調査官
 
難しい

一般人でも計画的に長時間の準備をすれば、合格は可能な範囲にあります。
各都道府県市町村職員:それぞれの自治体によりばらつきがありますが、一般的には難しいとされています。
国家公務員試験(一般職)
国税専門官
自衛官幹部候補生
教員:教員採用試験は、高校、中学、小学校とあり、この順に易しくなります。
 また、地方によっても差があります。
防衛省専門職員
裁判所事務官(一般職)

普通にすれば
試験としては難解な問題は出ませんが、人気が高いため倍率が高くなっています。
国家公務員一般職(高卒)
消防官採用試験:意外に難しいです。それも自治体の都合により採用数は違いますのでその影響を受けやすいです。
法務教官:倍率は15~20倍程度と割と高いです。

割と狙い目にある
試験問題も比較的普通のレベルです。年によっては人気が高いこともあるようです。
警察官採用試験
刑務官:意外に倍率が高いこともあるようです。

すぐなれそう
試験内容もかなり易しいものです。倍率も高くないです。
自衛官:最もなりやすい公務員の代表的存在です。
図書館司書:講習を受けるだけの資格があれば受験出来ます。

地方公務員試験の難易度

地方公務員といってもどの地方の公務員になるのかによって、試験の難易度は違います。待遇はほぼ同じでしょうから、どうしても地方公務員になりたいのでしたら、試験の易しい地方で受験するのも一考です。

一般に倍率の高い地方は、やはり人口の多い地方になります。人口と採用者数が比例していれば、そのようなことはありません。

実際は人口の割に少ない職員でやりくりしているのが、人口の多い地方の業務実態なのです。

その結果、都道府県なら大都市のある地方は、倍率が高くなります。また、その都道府県出身者以外からの受験者も多いのも特徴です。

その地方に住んでその地方に関わる仕事に魅力を感じているという人も多いのです。単純に人気があるから難しいということです。

具体的には、北海道、東京都、千葉県、埼玉県、神奈川県、愛知県、大阪府、京都府、福岡県等です。市役所にしても同様のことがいえます。

特に政令指定都市は、倍率を見ただけでも一般の都道府県以上の難易度があるといわれています。いわゆる一流大学合格者程度の人がしっかり準備して、やっと合格するレベルと思えば分かりやすいでしょう。

教養試験の択一方式の問題レベル自体は高くはありません。常識的な問題も見受けられますが、問題数が多いので短時間で捌ける能力が大切になります。試験に慣れるだけで随分、有利になるものです

記述式の問題や論文は、難問と見ておきましょう。文章を論理的に組み立てていくのも、慣れておかないと厳しいでしょう。

公務員試験の難易度(高卒の場合)

高卒の公務員試験は、大卒より学力の劣るクラスになるというのは、思い込みに過ぎません。

成績は申し分なくても、経済的な事情で大学に進めなかった人が流れてくるのが公務員試験なのです。ですから、実質的には思うほど易しくはないのです。

受験資格は、高卒後2年くらいまでとかなり制限も厳しいので、思い立ったら即、準備を始めましょう。現在は就職してもすぐに辞めて、公務員への再就職を目指す人も多いのです。

短い受験資格を逃せば、公務員になるチャンスはなくなります。その意味では難しい試験ではあります。

試験問題のレベルは、大学入学試験の方が難しいです。ですから、高校在学中の成績がそれほど芳しくなくても、ポイントを押さえて対処すれば合格の可能性は高くなりやすいのです。

それにはやる気でしょう。意外に2~3ヵ月間の短期間の勉強でも意外な人が合格しやすいのが高卒の公務員試験です

高校生くらいの若い頭には、誰もが思わないような吸収力を秘めていたりもします。現在の成績で簡単に諦めることはありません。

一言にすると、簡単ではないが勉強次第では誰でも短期間の準備で合格も可能な試験といえます。それには、自分で対策をするだけでは効率が良くありません。

書店に並んでいる問題集を選んでも役には立ちます。専門学校が用意している問題集等は、それよりも有効な対策になりやすいのです。この他、合格した先輩のサポートを受ける等も有効な合格方法になるでしょう。

公務員試験の難易度(市役所の場合)

市役所の試験も倍率でみる限りは、どの市役所もなかなか侮りがたいものがあります。

しかし、これにはカラクリがあります。市役所の場合は、欠席者が多いのが特徴的なのです。それは試験日程が混んでいるにも関わらず、どこを受験するか決められないままとりあえず出願だけしている人が多いからです。

比較的多い併願例は国家公務員Ⅱ種や都道府県との併願です。この場合、日程的に受験できないこともありませんが、スケジュールが詰まってしまうのです。

両方受験して両方とも合格する人も多いものです。この他、試験日が全く同じ近くの市役所を併願している人もいるのです。

市役所でも、政令指定都市になると実質倍率も高いようです。合格者の顔ぶれを見ても実際のところ、いわゆる一流大学出身者が多いものです。政令指定都市以外の市役所には、ばらつきがあります。

年によって採用数が少ない年もあります。この場合は、倍率が数10倍と極端に高くなったりもします。

それでも受験者の質はそれほど高くはありません。しっかり準備さえしていれば、見せかけの倍率だけの難しさだけだったりもするものです。

市役所のその年の採用予定者数等の情報をこまめに探していれば、合格しやすい市役所を選択できたりもします。

その辺りですと、一流大学出身の人ばかりというほどのレベルではありませんので、努力次第で合格できるものでしょう。

実際に試験対策をして受験している人も、それほど多くはないものです。早くからコツコツやっていれば、問題はないでしょう。

公務員試験の難易度(警察の場合)

一般の警察官は、地方公務員になります。その難易度は従来から高いとはいえませんでした。消防官と比べても警察官の方がなりやすいといわれていたものです。大卒でも高卒でも、それは変わりがなかったものです。

概ねの倍率は大卒で5倍、高卒で15倍が目安になります。しかし、昨今の経済不況や後を絶たない犯罪に立ち向かう姿に惹かれた受験者も増えているようです。

給料の高さの人気もあってか、その倍率も高くなりつつあります。一方で、高まる警察官の社会ニーズを反映して、採用者数も増える傾向にあります。合格もしやすくなっているという側面もあるのです。

1次の筆記試験から難しいものではありません。ですが、他の公務員試験と同様に幅広い分野から出題されます。

高得点こそ必要ありませんが、取るべきところでしっかり取れるかどうかが問題になります。不合格になる受験者は、それができなかった人です。

警察官には、消防官とともに体力試験があります。さらに警察官には、2次試験で人物調査があります。

本人には問題はなくても、家庭状況を調査されて不合格になる場合もあるのです。仕事柄、前科者等は採用する訳にはいかないのです。

警察官は、試験自体はそれほど難関とはいえませんが、その勤務はハードなものです。合格しても、警察学校での研修の段階で警察官を諦めるという早い判断をする人もいるようです。

それなりの覚悟が必要であるということからすれば、警察官になるのは難しいものなのです。

公務員試験の難易度ランキング

一般に難しいと言われている公務員試験から順番に紹介します。
1.国家公務員総合職
 中でも財務省、警察庁、経済産業省、総務省に採用されるのは至難の業です。
 実力をわきまえなければ、努力しても徒労に終わります。

2.外務省、文部科学省、防衛省、内閣府、金融庁、会計検査院、厚生労働省
 特に外務省職員は、帰国子女レベルの高い語学力が求められます。

3.衆議院・参議院職員総合職、国立国会図書館総合職、裁判所事務官総合職
 倍率が極めて高く、かなりの人気があります。

4.国土交通省、環境省、農林水産省、法務省等、防衛大学
 防衛大学は卒業して防衛省の高級官僚になるコースになります。

5.都道府県庁上級(東京都、大阪府、京都府、愛知県、千葉県、神奈川県、埼玉県、北海道、福岡県),政令指定都市上級、気象大学、衆議院・参議院一般職、国立国会図書館一般職、裁判所事務官一般職、外務省専門職

6.県庁上級、中核市、国家一般職、自衛隊幹部候補生、法務省専門職員、労働基準監督官、食品衛生監視員

7.教員、市役所、都道府県庁政令都市中級、財務専門官、国税専門官、皇宮護衛官(大卒)、海上保安官(大卒)、航空管制官

8.裁判所事務官(高卒)、衆議院参議院職員(高卒)、国立国会図書館(高卒)、国家一般職(高卒)、海上保安大学校

9.県庁・政令都市初級、入国警備官、皇宮護衛官(高卒)、税務職員、海上保安学校、警察官(大卒)、消防士(大卒)

10.警察事務(高卒)、学校事務(高卒)、市役所(高卒)

11.警察官、消防士、自衛隊(高卒)

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