公務員は副業禁止の法律があります。それは国家公務員法「103条」と地方公務員法「38条」で定められています。ただし、全く出来ない訳ではありません。以下のような副業であれば、公務員でも副業が出来るのです。
◆農林水産業
◆比較的小規模の不動産賃貸
◆宗教活動(寄付、お布施)
◆農業協同組合や消費生活協同組合等の非営利目的団体での無報酬の役員
◆資産運用
◆教育関係の執筆活動(教員のみ)
◆その他任命権者の許可を得た場合
内容的には、職務に支障をきたさず信用を失墜させず、特段の営利を追求していない副業になります。これに該当すれば許可も得られそうです。許可を得れば、懲戒処分なども有り得ないのです。
ネットオークションを利用出来ないとか、フリーマーケットに不用品を出してもいけないとかも有り得ません。他にもポイントサイトでのポイント稼ぎもあります。
ブログが高じてアフィリエイト収入が少し発生しても、それくらいで問題にはしていません。このようなものは、とても営利を目的とした副業とは言えないのです。
明らかに高額な営利を目的としたドロップシッピングは危険です。また、どんな副業でも収入が本業並みになってしまうようであれば遠慮した方が無難です。
このような副業は避けながら、安全な範囲で副業にチャレンジしましょう。株式やFXなどの資産運用も認められています。
技術を身につければ立派な副業になります。公務員を取り巻く環境は決して良くはありません。今のうちから将来に備えるのは良い事です。
公務員は賃料収入も得られないのか
公務員は副業が禁止されています。でも不動産賃貸はどうなのでしょうか?公務員でも土地や建物を相続したりすることもあります。
それをそのままにするよりは、人に貸して賃料収入を得た方が良いのではないでしょうか?それも法律で禁止されている副業にあたらなければの話です。これがもしも出来ないのなら、いかにも理不尽な気がします。
国家公務員法103条または地方公務員法38条には、公務員の職務専念義務が定められています。これにより副業は認められてはいませんが、職務に影響が無い場合、営利性が低い場合は認められています。
では相続した不動産で賃料収入を得るのは、認められるのでしょうか?
これについての規則が定められています。「人事院規則14-8(営利企業の役員等との兼業)の運用について」になります。以下に該当する場合は、副業に該当するとされています。
不動産の賃貸が次のいずれかに該当する場合
イ、独立家屋の賃貸については、独立家屋の数が5棟以上であること。
ロ、独立家屋以外の建物の賃貸については、貸与することができる独立的に区画され
た一の部分の数が10室以上であること。
ハ、土地の賃貸については、賃貸契約の件数が10件以上であること。
ニ、賃貸に係る不動産が劇場、映画館、ゴルフ練習場等の娯楽集会、遊技等のための
設備を設けたものであること。
ホ、賃貸に係る建物が旅館、ホテル等特定の業務の用に供するものであること。
駐車場の賃貸が次のいずれかに該当する場合
イ、建築物である駐車場又は機会設備を設けた駐車場であること。
ロ、駐車台数が10台以上であること。
不動産又は駐車場の賃貸に係る賃料収入の額が年額500万円以上である場合。
以上のいずれにも該当しなければ、公務員でも賃料収入は得られると言う事です。小規模の賃貸であれば、問題ないとの見解が定められているのです。ただし、各自治体によっても若干違う場合もありますので、念のために確認しておいた方が良いでしょう。
公務員ができる副業の範囲
民間でも副業はできませんが、公務員の場合それは法律で定められています。それは原則ですので、例外に該当すれば副業はできるのです。
その要件は、本業に差し障りのない範囲であることでしょう。具体的に良くあるケースを紹介します。
・株式投資、不動産投資などの資産運用
安定収入がありますから、投資もしやすい環境ではあります。
・小規模な家賃収入
どこまでならできるのか、具体的に定められています。
・農林水産業
1次産業従事者の確保のためです。
・年間収入20万円以下の副業
20万円と言う制限は、確定申告を意識しています。雑所得として取り扱わない金額になるのです。例えば、趣味でブログを立ち上げてそこからアフェリエイトなどで少額の収入を得ることはあります。本を出版して作家としての印税収入を得る場合もあります。あるいは、同人活動をして同人誌を有料で配布してもこれは趣味の範疇になります。サークルでバンドをやってコンサート会場で有料で客を呼び込んでも、特段の利益を目的にしているとは思えません。ただ、これが結果的に売れすぎて20万円を超えてしまう可能性もあります。その場合でも、売り上げが目的だったとは認められない範囲のものになります。いずれも副業とまでは言い難いものなのです。
この他、特別に任命権者の許可を得れば副業は可能です。副業になるのか趣味になるのかの判断が、その分かれ目になるのです。
元々、趣味で小遣いを稼いでいただけだったのが、意外に高収入が得られるようになる場合には気を付ける必要があります。
だんだん本格的になってしまい収入も膨らんで来ると、副業禁止の法律に引っかかってしまうことがあるのです。その判断基準としては、概ね年間20万円を超える収入を複数年継続していれば、副業とされているようです。
もしも、調子良く稼げている場合は念頭に置いておくと良いでしょう。心配であれば、事前に各任命権者の許可を取っておくのが最も安全です。
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